LOHASのロハスなごろべえ日記
近頃、都に流行るもの つづきのつづき
文:ごろべえ |2007.08.15
8月の初めは北京にいた。
三つ目の話は「オリンピック」である。
今回泊まったホテルは、オリンピックの開会式が行われる
北京国家体育場(Beijing National Stadium)の隣にあった。
写真は池越しに見たスタジアムの様子である。
とにかく凄く存在感のある建物である。
この建築物の愛称は「Bird's Nest(鳥の巣)」だそうだ。
最近は、建築といえば軽い感じのものが多いが、
とにかく圧倒的な質量に驚かされる。
まさしくそれは巨大な鳥の巣である。
下のCGイメージは、建築コンペの時にプレゼンで使われたものだが、
いかにもここから新たな巣立ちがありそうな雰囲気でしょう?
この建物は大変複雑な形状をしていて、相当な量の鉄を使っている。
多くの人と建機が急ピッチで工事を進めていた。
もちろんこの建物に限らず、
オリンピックに向けて中国全土で相当な建設ラッシュである。
何しろ人口13億人の巨大な国である。
環境への影響も相当なインパクトに違いない。
実は、現在中国は世界の鉄の25%を消費している。
中国は2020年までに経済規模を2000年度の水準に対して4倍にするという。
もちろん今までのやり方で進めると、
25×4=100ということで世界中の鉄を中国が独占してしまうことになる。
「ありえねぇ〜」話なのである。
そこで中国政府が考えていることが、日本並みのエネルギーの効率化を図ることなのだという。
日本は一人あたりのエネルギー消費量で現在、世界平均の2.5倍くらいを消費している。
他の国はというと、アメリカは世界平均の5倍で、中国は0.5倍となっている。
ところがこれをGDPに対する比較で検討すると、
つまりエネルギー消費の効率で見ると中国は日本の11%しかない。
たったの11%だ。
日本と同じ事をするのに中国では9倍のエネルギーが必要になるのだ。
ちなみにアメリカは日本に比べ同じ事をするのに2.7倍のエネルギーが必要だ。
話を戻そう。
現在中国のGDPは日本の1/4だから、
今のまま推移するなら2020年時点では日本の9倍のエネルギーを使って、
その目標を達成することになる。
これもまた「ありえねぇ〜」シナリオなのである。
何かがおかしい。
地球自体は一つしかないのだから、
みんな一緒に上手くやっていくしかないのだ。
そういった意味で言えば、現在の経済学には明らかに環境の視点が欠落している。
ロハスな視点、ロハスなものの進め方がきっと役に立つはずだ。
圧倒的な「鳥の巣」をかたどった建物が
新しい中国を生み出す巣の象徴であることを
僕は切に祈っている。
追伸
そういえば今回泊まったホテルの料金は
今年に入って2倍になったそうだ。
来年は10倍になるんじゃないかと
商売好きな中国人たちは
まことしやかに噂している今日この頃である。
プロフィール
ごろべえ
LOHAS.CO.JPの代表。未来予測、バリの精神世界からオープンソースまで話題は縦横無尽。
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