LOHASのロハスなごろべえ日記
近頃、都に流行るもの
文:ごろべえ |2007.08.12
8月の初めは北京にいた。
そういえば、中国に通い始めてからかれこれ18年になる。
初めて行ったのはあの「天安門事件」の直後だった。
天安門広場には戦車の通った後や縦断の跡が残っていた。
1年後、見事に弾痕は消されていた。
良くも悪くも、これが中国なんだと、強く思い知らされた。
そして、2007年、中国は大きく発展した。
今や「世界でもっとも進化した資本主義社会」と呼ばれているくらいだ。
全て、金で片付く。
極めて、論理的で合理的な社会に成長(?)したわけだ。
写真はコンクリートの柱に取り付けられたゴムのプロテクターである。
なぜ、ゴムのクッションが中国の発展と関係があるのかって?
それが大ありなワケ。
中国では伝統的にテクノクラートと労働者が、
全くと言っていいくらいに分断された構造となっている。
この仕組みは殆どの伝統が継承されない中国にあって、
漢字や科挙のシステムと同じで、数少ない継承されている仕組みだ。
なぜ伝統が継承されないかについては今度詳しく書くとして、
この分断された構造は今現在も基本的にはそうだし、
こいつはちょっとやそっとじゃ変わらないだろうと思う。
多分、この一見不合理な構造から生まれる大きな格差こそが、
中国という国のダイナミズムの源泉だからだ。
先に知り、先に行動したものが多くを取る。
ノウハウは金に換金できない限り伝えられない。
指示を出す者は、如何に効率よく目的を達成するかを考え、
その目的のための必要最低限の指示を出す。
それ以上もそれ以下も求めない。
だから、作業者は言われたことを言われた分だけやるわけだ。
もちろん、世の中そんなに都合良く行くわけないので、
実際に実現されるものは、期待した線まで届かないことも多い。
だから、これまで中国の建築工事は日本人の目からすれば
「これってどう〜よ?」的な部分が散見されたものだ。ホントに。
ところがである。
コンクリートの柱にゴムのクッションである。
凄いと思いませんか?
そんなことにも気を遣う余裕が出てきたのだ。
きっとベンツやBMWがたくさん増えて、
それで文句を言う偉い人も増えたに違いない。
う〜ん、まさに先進国仕様。
僕にとっては、この1年が過去の18年間で最も変化した1年だと感じた。
中国は確実に変わってきていると・・・
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LOHAS.CO.JPの代表。未来予測、バリの精神世界からオープンソースまで話題は縦横無尽。
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