LOHASのロハスなごろべえ日記
ヒトパピローマウイルス
文:ごろべえ |2007.08.10
そういえば、2ヶ月ほど前からおかしかったのだ。
最初は、中指の腹の部分に傷のようなものが出来て、
瘡蓋みたいに少し堅くなっていた。
僕は、どこかで指でも切ったのかなぁと思いながら、
あまりたいした処置もせず放っておいたのだ。
そもそもそれが間違いだったのかも知れない。
気のせいか、少し大きくなってきたような・・・
皮膚は、マメで硬くなってしまったかのように、
完璧に角質化してしまった。
僕は、爪切りやナイフで硬い部分をせっせと削り取った。
そもそもこれが間違いだったかも知れない。
なぜって、傷は順調に成長している・・・
いっこうに直る気配のない僕の指。
一体どうしたというんだろう。
日頃の寝不足のせいなのだろうか?
あるいは、新種の皮膚ガンにでもなってしまったのか?
抗生物質の入ってるものから日本未発売のタイガーバームの赤色のやつまで、
いろいろ塗ってはバンドエイドを巻き付けていた。
もしかするとこれも間違いだったかも知れない。
かなり大きくなってきた・・・
かなり問題だ。
ある日友人に見せたら、ウィルスかも知れないという。
ゲゲッ、ついにコンピュータが僕を襲いに来たか、
と思ったが、そうではないらしい。
友人は「そんなものはジジュッと焼けば一発よ」
早く皮膚科に行けという。
僕は焼き肉みたいにされるのは厭だなと思いながら、
会社の近くにある皮膚科を訪ねた。
「イボだね。イ・ボ。」
先生は、絆創膏を取るなりいきなりそう言った。
なんでも、ヒト由来のウィルスがあって、
ヒトパピローマウイルス(Human papillomavirus:HPV)
というらしい。
先生はおもむろに液体窒素を取り出し、
携帯スプレーみたいな金属製の容器に入れると、
ゴキジェット宜しく、僕の指目がけて吹き付ける。
糸のように細く吹き出される窒素のスプレーに妙な感動を覚える。
流石、先端技術。でも窒素がものすごく冷たくて、痛い。
1分もすると、手術?は終わった。
先生には、ウィルスが死滅するまで一週間に2回ほど来なさいと言われた。
バンドエイドを巻き付けた指を見ながら、
僕はこの何ヶ月か一緒だったウィルス君のことを考えた。
ヒトは実はいろいろなものと共生しながら暮らしている。
あまり、おかしなウィルスとは共生はご免だが、
みんな生きているわけだし、生きていたい。
避けられない。
やはりこれも地球型生命体の特徴かも知れない。
みんなが生き延びたければ、
みんな仲良くやるしかないのだ。
別れが近いウィルス君を眺めながら、そう思ったのだった。
プロフィール
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LOHAS.CO.JPの代表。未来予測、バリの精神世界からオープンソースまで話題は縦横無尽。
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